レモンスライムのきもち

心を言葉に正しく変換する能力がほしいですね。

未知の不安な世界よりも、住み慣れた地獄

私には今、気になっている人がいます。なぜ気になるかを簡単に言ってしまえば好きだからなのですが、「好きな人」というよりは「気になっている人」の方が正確です。

 

その人には先月やんわりと告白して、やんわりと振られました。告白して振られるのなんて10年以上ぶりなので、ショックが新鮮でした。このように感情を観察する余裕があるあたりが、好きよりも気になっているという表現が正確である理由です。本当に焦がれるほど好きなら、余裕がなくなると思うので。

 

その人が気になっている最大の要因は、その人が不幸に引き寄せられそうだからです。可愛らしくてあまりに世間を知らないため、悪意の人間に出会えば喰い物にされてしまいそうな人です。助けてあげたいという気持ちが最も大きいです。

 

そういう人を囲いにいく自分も、ある意味では悪意の人間と同じ穴のムジナです。ただ、知り合いが不幸になりそうなのに静観しているのはあまりに寝覚めが悪く、また特に恋焦がれる人もいなかったことから、昨年末あたりからはたまに遊んだりしながら「こっちにおいでよ」って言ってました。

 

 

人は、未知の不安を感じるくらいなら慣れた不幸を選んでしまう傾向にあります。

 

 

例えば、地獄に住んでいる人がいるとしましょう。地獄という表現でわけがわからなくなりそうならば「不幸な環境」とでも置き換えてください。

 

まず、地獄に住んでいることすら認識できない人がおり、そんな人は当然地獄に住み続けます。そんな人は地獄を天国だと誤解していたりするため、

「私は何不自由のない生活だ」

などと意識では思うくせに、毎日はちっとも楽しくありません。地獄にいるのですから当然ですね。

 

次に、地獄に住んでいることを認識できた人がいたとします。その人は、常識的に考えれば地獄から抜け出そうとしますよね?でも、人間はそれができないものなのです。地獄から抜け出したその先に対する不安を感じるくらいなら、住み慣れた地獄の苦しさを選んでしまいがちなのです。

 

よって、地獄にいる人を助けるには、

①その人自身が「地獄に住んでいる」と認識すること

②慣れた不幸にしがみつかず、勇気を出して未知の場所に飛び込む心を持つこと

が必要になります。

 

私が気になっている人も地獄に住んでおり、まだ①が認識できていません。私は、心の動き方や気持ちを言語化する能力はかなり高い方だと思います。が、本人が助けを求めていなければ、いくら物事を上手に伝えられても響く可能性が低くなります。

 

気になっている人は現状、心の底では助けを求めていそうなんですけど意識では助けを求めておりません。だから大してできることもありません。致命的なことが起きて地獄から抜け出せなくなる前に、声が届いてほしいです。

 

 

ここまで記したことについて、全部私の思い込みだったら私はあまりにヤバい奴だなあと思います。幸せに暮らしている人を不幸だと思い込んでおせっかいをしているとしたら、それはストーカー的な思考回路です。

本当に地獄にいるのは、私と彼女、どちらでしょうかねえ。

 

前回の記事の通り、私はこの世界線に来た時点で世の中は(結婚した世界線との相対的な比較で)地獄気味なんですけど、たぶんよい場所にいます。私より地獄に近い人はごまんといます。

 

いつか彼女をこの場所まで連れてこられると、この世界線に来た意味があったと思えるのでありがたいですね。自分の心の底の声を彼女が頑張って拾ってくれるといいなって思います。